今香港では100万人規模のデモが発生する事態となっていますが、


こんな疑問に答えます。
3分くらいでサクッと読める内容となっていますので是非一読くださいね。
■目次
逃亡犯条例とは
香港以外の国や地域で罪を犯した容疑者を当該国や地域の要請に応じて引き渡せるよう定めた条例です。
香港はもともと、米国や韓国など20カ国と協定を結んでいるが、中国、台湾やマカオは含まれていませんでした。
ちょっと難しいですね。
わかりやすく例を挙げて説明すると、
アメリカ人が香港で罪を犯してアメリカに逃げ込んだとします。その場合、香港はその容疑者を香港に連れ戻して裁判する権利があるということになります。その逆もしかりです。
一方で、香港は中国や台湾とは協定を結んでいないため、上記のような容疑者の引き渡しの要請はできません。
今回の逃亡犯条例改定の内容は?何を改定するの?
今回の逃亡犯条例改定の内容は、協定を結ぶ対象国を現状の20カ国以外にも広げるというものです。
具体的には、中国本土や台湾、マカオなどが対象となります。
改定の何が問題なの?
ではこの改定案の何が問題となっているのか?
なぜ香港で100万人規模のデモになっているか?
それは、この条例改定により、香港の一国二制度が事実上崩壊するといわれているからです。
というのも、今回の改正により、中国は香港にいる容疑者を中国に引き渡すよう香港に要求できるようになります。
ただ、ここで問題なのが、中国の司法制度は政治色が非常に強く、共産党の息がかかっているということ。
つまり、中国共産党の思惑次第では、香港にいる人物の容疑をでっちあげ、中国に強制送還することができてしまうということになります。
こうなると恐ろしいのは、香港にいる人が共産党に反対の主張をしたりすると、強制送還される恐れがあるということ。
香港人の自由が制限されてしまうことになります。
このことを一国二制度の崩壊だとして、香港若者たちを中心として100万人規模のデモが勃発しているということになります。
なんで逃亡犯条例が改訂されるの?
そもそもなぜ逃亡犯条例が改訂されることになったのでしょうか。
ことの発端は、台湾で起きた香港人殺人事件(潘曉穎殺人事件)にあるといわれています。
ただ、より重要な背景として、もともと香港は中国や他の国で罪を犯した人の亡命先として人気(?)の「犯罪者の隠れ家」のようになっており、治安改善のため香港政府は逃亡犯条例の改定を早く可決したいと考えていました。
そんな中、台湾で香港人殺人事件(潘曉穎殺人事件)が発生。
犯人(香港人)が台湾から香港に帰国してしまったため、犯人を訴追できずという状況が発生してしまっているわけです。
これを受けて、犯人を香港から台湾へ引き渡しすべく、逃亡犯条例の改定に向けた動きが加速したといわれています。
殺人事件(潘曉穎殺人事件)については下記に詳細をまとめましたので興味のあるかたのみ読んでいただければと思います。
2018年2月17日、香港人カップルが台湾を旅行中、男性が女性を殺害。そして、女性の遺体をスーツケースに入れて台北に遺棄したまま、男性は香港へと帰還しました。男性は香港で殺害を自供しましたが、事件が起きた台湾でなければ法で裁くことはできません。そして、台湾と香港は逃亡犯条例を締結していないため、台湾は容疑者の男性を香港から台湾へ引き戻すことができず、この容疑者の男性は野放しにされているという状況が続いています。
逃亡犯条例改定による今後の影響は?
人口や企業が香港から海外に流出し、香港の経済縮小につながるのではという懸念がされています。
そもそも香港には、中国から自由を求めて逃げ込んできた人が多くいます。
例えば、民主活動家や法輪功学習者、人権活動など(そして汚職官僚など犯罪者も)。
企業もしかりです。しかし、今回の逃亡犯条例改定により、これらの人口や会社が国外に流出する恐れがあります。
もちろんこれらの中国から逃げ込んできた人や会社以外も同様で、香港の一国二制度が崩壊すれば、自由を求めて多くの人や企業が香港国外に流出するでしょう。
その結果として、香港の経済にまで影響が及ぶ可能性が指摘されています。
香港への旅行は安全?デモの影響は?
外務省は、香港への渡航には注意が必要だと警鐘を鳴らしています。
デモが行われている周辺には近づかないようにしましょう。
ただ、今のところデモが発生しているのは、香港島の立法会敷地内とその周辺エリアで、その他のエリアへの大きな影響はありません。(立法会の場所は下記の地図より確認ください)
旅行に行く場合には香港島には立ち寄らず、尖沙咀エリアを中心に回ってみてはいかがでしょうか。